薬剤性頭痛、頭痛を誘発する食品

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薬剤性頭痛、頭痛を誘発する食品

 頭痛を誘発する薬物や物質、食品が多く知られていますが、なかには迷信に近いものもあります。国際頭痛学会の診断基準では原因と認定するためには、その物質(薬物)を摂取後、12時間以内に頭痛がおこり、その物質を摂取した場合の半数以上(かつ3回以上)頭痛がおこることと規定されています。チョコレートは頭痛を誘発すると言われているのですが、二重盲検試験という方法を用いた科学的な研究ではプラセボ(偽薬)と本物のチョコレートの頭痛誘発の頻度に差が無かったと報告されています。

 亜硝酸、硝酸は頭痛を誘発することが確認されています。ホットドッグ頭痛(ホットドッグを食べた後の頭痛)といわれたものはソーセージの保存料として当時使用されていた亜硝酸、硝酸によるものと考えられています。

 グルタミン酸ナトリウムは化学調味料として多用されていますが、過剰摂取により、胸部圧迫感、不快感、顔面紅潮、腹部不快感などと共に頭痛をきたし中華料理店症候群と呼ばれています。

 アルコールも頭痛を誘発します。特に赤ワインは片頭痛を起こしやすいことで有名です。

 薬物としては、アトロピン、ジギタリス、イミプラミン、ニコチン、ニフェジピン、ニトロプルシドなど多数の薬剤が頭痛を誘発することが知られています。経口避妊薬や女性ホルモン(エストロゲン)も頭痛を誘発する物質として挙げられています。

 頭痛の誘引となっていることが明らかであればその薬剤や原因物質の摂取を避けることで頭痛を予防できます。ただし食物に関しては個人差が大きいのであまり気にしすぎないことも大切です。


(国際頭痛学会1988、頭痛研究会邦訳)